映画とライフデザイン

映画ブログを始めて17年、年間180〜200本観ます。時おりグルメ記事や散歩して気に入った場所の記事を書きます。gooの閉鎖で移動してきました。

キルビルとタランチーノ

タランチーノはエリートではない。
知能指数が極めて高いと言われるが、普通の学校を中退して、ビデオ屋の店員になっている。そこでは好きなだけ映画が見れたらしい。
そのとき大量に仕入れた映画のネタがベースになっているものが多い。

数多く食べ歩きした人が、いい料理人になるとは限らないが、彼には食べ歩きをした方々のネタを自分の料理に生かす能力が抜群にある。ミシュランガイド的グルメ店だけでなく、幅広くB級、C級のグルメ店のいいところを吸収している。

キルビルもその一つだ。
日本が舞台となっているVO.1は、千葉真一や栗山千秋などの日本人俳優も数多く出演して、日本人にも馴染み深くなっている。しかし、やくざの親分リューの日本語などわれわれ日本人から見ると不自然なところも多い。
しかしそれを埋めるほどの迫力がある。

まずは、復讐第一戦の黒人女性宅への訪問と対決である。
このスピード感で一気に盛り上がる。相手の娘がいるにもかかわらず、復讐の灯は止まらない。ここで容赦なく黒人女性を倒す場面で一気にひきつけられる。娘がいるのに殺すなんてちょっとそお展開はいきなり驚かされる。
あとは、栗山千秋
これはいかにも強そう。しかもセーラー服がかっこいい。
ハンマーのようにビュンビュンふりまわす。互角の対決と思わせる迫力が栗山千秋に備わっている。

映画全体にどたばたかなと思う部分もあるが細かく練られた感じが強い。
日本映画やイーストウッドウェスタンなどいろんなところからヒントをもらって場面場面でつかっているらしい。

リューを倒した後のVO.2ではずっと連戦連勝かな?と思わせるが、単純には行かない。ビルの弟を倒そうと寝城の車に行くが、弟にいきなり撃たれて棺おけに入れられてしまい、お墓に埋められる。これも逆にびっくりだ。映画の時間まだまだ長いなあ?大丈夫かな?なんて思っていると白い眉の老人が出てくる。
中国の古代武術に熟達した仙人のような老人に、武術を教わる場面がでて、そこで手の突きで木を打ち破る極意を習うのを見てようやくなんだそうなのかと思う。
棺おけを突き破り、砂の中を地上に這い上がり、再びビルの弟の車に戻るが、そこにはユマのライバルの片目の女殺人鬼が来ている。。。。

結局最後はビルを倒すんだろうなあ。。。とストーリーの先は想像がついてしまうが、そこには軽い迷彩がちりばめられて単純にはいかない。
情緒的な話も混ぜながら、単なる対決だけに終わらせないところがいい。

自分もたくさん映画を見ているけど、創作への道はまったく想像がつかない。
やっぱりタランチーノはすごい