映画とライフデザイン

映画ブログを始めて17年、年間180〜200本観ます。時おりグルメ記事や散歩して気に入った場所の記事を書きます。gooの閉鎖で移動してきました。

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

姿三四郎 黒澤明

黒澤明監督のデビュー作である。姿三四郎といえば誰でも知っているキャラクターである。 講道館の嘉納治五郎師のもとに学ぶ柔道家西郷四郎がモデルといわれる。昭和18年戦中につくられただけあって、出演者の面構えが違う。明治の柔道家の荒々しさがにじみ…

真実の瞬間  ロバートデニーロ

映画界で繰り返し取り上げられているテーマとして大戦後の映画界の「赤狩り」がある。 「真実の瞬間」は91年のロバートデニーロ主演作品だ。「赤狩り」で窮地に陥る映画監督の偶像をいちばんよく表現していると思う。これでもかこれでもかと攻め立てるアメリ…

天城越え  田中裕子

石川さゆりの名曲「天城越え」は去年の紅白でも歌っていた。いつもながらの熱唱は大好きだ。 直接的な関連はないのに、この歌を聴いていると松本清張の「天城越え」を思い出す。短編「天城越え」を最初に読んだときには背筋がぞくっとした。 印刷会社の社長…

娘の高校と自習1

子供も高校へ行き始めて一月がたった。 中学はあるいていけるところだった。 部活に入ったら帰りが遅くなった。自分のときは定時制があったので 部活は5時に終了して6時までに下校しなければならなかった。 そういった意味で7時までは学校にいることが出来る…

悪人  妻夫木聡

「悪人」は2010年ナンバーワンの呼び声が高い作品だ。「告白」と日本映画の賞を争ったが、どう考えてもレベル的には格段に「悪人」の方が上だ。言葉の思いを映像で示すそのうまさと、ロケ地をうまく使って、みずみずしい映像美に包む李監督の手腕には感心せ…

キックアス

超能力を持たない一般人のヒーローそれが「キックアス」である。普通の少年であれば、誰もがマントを着てヒーローになりきろうとした経験があると思う。そんな気分で特殊な腕力も頭脳もないオタク少年がヒーローになってしまおうとする。そんな映画だ。この…

ラウンダーズ マットデイモン

「ラウンダーズ」はマットデイモンの初期の作品、「グッドウィルハンティング」で名を挙げた彼がポーカーゲームを題材に天才ギャンブラーの紆余屈折を演じる。 ニューヨークのロースクールで学ぶ主人公ことマット・デイモンはポーカーの天才だ。かわいい恋人…

シュリ

「シュリ」は韓国映画ブームのきっかけとなった99年の作品である。北朝鮮工作員と韓国諜報部員との悲愛を描く。アクションシーンの特撮、カメラワーク、バックの音響、出演者の演技すべてにおいてすばらしい。作品のスケール感は壮大で、まさに傑作の中の傑…

ザ・コミットメンツ

「ザ・コミットメンツ」は91年のイギリス・アイルランド映画だ。アイルランドの主要都市ダブリン北部の労働者階級のさまざまな面々を登場させ、ソウルバンドを結成させる。「ジャマイカのボブスレー」同様らしくない設定というのはおもしろい。ブルースブラ…

レッドコーナー北京の二人 リチャードギア

「レッドコーナー北京の二人」はリチャードギア主演の97年の作品。北京を舞台に、殺人犯に仕立て上げられたアメリカ人と中国人の女性弁護士の国境を超えた絆を描くサスペンス・ドラマ。13年前の発展しつつある当時の北京の風景を見せる。でも大部分はアメリ…

クールランニング

「クールランニング」は掘り出し物のスポーツ映画だ。 コメディタッチで笑えるし、何よりジャマイカからボブスレーでオリンピックにという発想自体がおかしい。ジョークにしか思えない。でもこれは実話に基づくらしい。 88年のジャマイカ、レゲエタッチの音…

ヌードの夜  佐藤寛子

『ヌードの夜』は石井隆監督によるフィルムノワールである。前作『ヌードの夜』では、男を殺した余貴美子と、事件に巻き込まれていく探偵竹中直人との関係を描いた。『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』はその主人公の新しい物語である。主演の竹中直人を取…

サンシャインクリーニング  エイミーアダムス

「サンシャインクリーニング」はエイミーアダムス主演のコメディタッチのドラマだ。「ジュリー&ジュリア」でも活躍した人気急上昇中エイミーアダムスのさわやかイメージを想像したが、少し違った。妹役と一緒にする役柄は事件現場の掃除が仕事だ。えげつな…

ア・フューグッドメン  トムクルーズ

「ア・フューグッドメン」はトムクルーズ主演のかなり特殊な法廷ものだ。「ミザリー」でキャシーベイツを恐怖のストーカーに仕立て上げたロブライナー監督による傑作だ。当時人気絶頂のデミムーアがトムの上官として出演する。基地を統括する大佐を演じるジ…

羅生門  黒澤明

「羅生門」はあまりにも有名な黒澤明の出世作である。何度見たかは覚えていない。「天国と地獄」同様見るたびごとに新しい発見がある素晴らしい作品だ。 芥川龍之介に「羅生門」という作品はあるが、ここではそのモチーフを取りいれただけで基本は「藪の中」…

ウォール街  マイケルダグラス

映画「ウォール街」は続編がつくられたとあって久しぶりにみた。インサイダーの疑いで当局に逮捕される展開を覚えていたが、ストーリーはほぼ忘れていた。こうやって見ると、ビジネスの肝に通じるセリフがなかなか粋である。「経済小説」といういい方がある…

17歳の肖像  キャリーマリガン

映画「17歳の肖像」は若手のホープ、キャリーマリガン主演の青春ものである。ある女性ジャーナリストの回想がベースになっている。自分の倍以上の年齢の男性と恋をする女性の物語だ。 1961年主人公ジェニーことキャリー・マリガンはロンドン郊外の高校に通う…

地下鉄のザジ ルイマル

フランス・ヌーヴェルヴァーグの代表格ルイ・マル監督が『死刑台のエレベーター』、『恋人たち』に続いて撮り上げたのが『地下鉄のザジ』だ。前2作のイメージとは別人のタッチだ。戦前のコメディを意識した早回しやコマ落としなどの、映像トリックをふんだん…