映画とライフデザイン

映画ブログを始めて17年、年間180〜200本観ます。時おりグルメ記事や散歩して気に入った場所の記事を書きます。gooの閉鎖で移動してきました。

映画 ノルウェイの森 1


ノルウェイの森」をロードショウで観てきました。
初めて小説を読んでから20年以上経つ。その後何度も読む機会があり、それなりの思い入れがある。村上春樹ファンで妙にこの小説に批判的な人もいるが、底辺に流れる70年代に向かう独特のムードとポップな響きが好きです。ベトナムのトラン・アン・ユン監督が起用される。「青いパパイアの香り」「夏至」いずれも大好きです。
今回楽しみにしていました。

時は1968年高校生の主人公こと松山ケンイチは、高校の同級生キズキと直子こと菊池凛子と仲良く青春時代を送っていた。その後キズキは人生に絶望して自殺した。友人を亡くした失望のまま、東京の大学に進学することになった。地方出身の大学生を収容する寮に住み大学に通うが、大学は学園紛争の真っただ中であった。授業も心ない学生たちによって中断する毎日、レコード屋でバイトをしながら悶々としていた。
そんなある日ナオコこと菊池と偶然再会した。同郷のよしみで親しくする二人である。二人で仲良く散歩するのを楽しんでいた。ところが彼女はある日突然姿を消す。心の病があり、静かに療養せざるを得ないのだ。再度一人でさまよっているとき、同じ授業を受けているというミドリこと水原希子が学食で声をかけてくる。急接近してきたミドリと主人公は時折会うようになるが。。。。



スタートは飛行機の中としていなかった。何もかも入れていると時間が足りなくなる。
なくても不自然さはなかった。

そんなに放映時間が長いとは感じなかった。
肝心なところは長まわしのカットとなるが、短いカットをずっと続けていく手法である。長いストーリーであるからこうやってまとめる必要があったのであろう。それはそれで正解である。同時にロケ時間がものすごくかかっただろうなと思わせた。
映像的にうまいと思ったのは、風と雨のバックの使い方である。「青いパパイア」「夏至」も同様に雨の使い方が非常にうまいと思った。特に室内セットでの雨の使い方は、小津安二郎監督の「浮草」を思わせる絶妙のうまさである。得意の小動物を使った表現はわずかにとどまったが、序盤少しだけ見られた。
監督得意の映画の手法が垣間見られて、映画としての完成度はまずまずだと思っていた。



でもネタばれになるが大きく取り上げないが、後半戦に不満が残る。

これだけは言いたい。

ナオコが療養に行った先のお世話する女性がいる。その女性レイコが主人公を訪ねてくる場面がある。僕自身は彼女が主人公を東京に訪ねてくる場面はこの小説の一つのクライマックスであると思っている。そこの表現が全く駄目であった。これが非常に残念である。監督と感じ方が違うのであろうか?極端にいえばここに時間をかなり取ってもいいくらいである。
レイコが主人公のところを訪れてギターを弾きながら歌いまくる場面が小説にある。素敵な場面である。そこが全く省略されている。レイコの表現が足りなかった。これには正直がっかりした。

つづく