
映画「RAILWAYS」は中井貴一が50歳にして、電車の運転手になる話である。
大きな起伏のないストーリーだが、田舎の田園風景が妙に心に残る映画だ。

大手家電メーカーの経営企画室室長こと中井貴一は50歳を目前に、取締役への昇進を告げられるが、家族を顧みる余裕もなく仕事に追われる日々を送っていた。そんなある日、故郷の島根で一人暮らしをしている母こと奈良岡朋子が倒れたという連絡が入る。更に追い討ちをかけるように、同期の親友が事故死したという知らせが届いた。久しぶりに帰った実家で、中井はかつて必死に集めていた電車の切符を見つけ、子供の頃、“バタデン”の運転手になるのが夢だったことを思い出す。中井は会社を辞め、地元島根の一畑電車の運転士採用試験を受けることを決意した。49歳、しかも大手企業のエリートだった中井の応募に、会社は驚くばかりであった。熱意に動かされ、採用を決める。妻と娘を東京に残して、中井の運転士見習いの研修が始まったが。。。

同じような年齢だけに、気になる映画であった。この年になると、定年までなんとか居残ることを考えるものである。会社にいたらもらえるであろう賃金を計算すると、思いきれないものである。転職すると大幅年収ダウン。人的資本という資産を捨てるわけにはいかない。よほどの余裕があれば、話は別だけど。。。。

島根の田舎の風景を見ていると、ほのぼのとしてくる。過疎が進む県である。退屈で死にそうになるのではと思うが、こういう生き方も本当はあるのかもしれない。レトロな電車もいい。自分も小さい頃は鉄道が好きで、よくおばあちゃんと品川御殿山の八ツ山橋にオレンジと緑の東海道線を見に行ったものだ。そんな小さいころを思いだしながら映画をみていた。