マカオの中国への返還を控えるときに、5人の男たちが集まっていた。裏稼業の集団であると同時に青年時代からのつながりがあった。戻ってきた男はボスを殺して身を隠していた。実際にはこの5人の中にも仲間割れする使命をうけた者もいた。そして同じような仲間たちの襲撃を受ける。といったことが繰り返される。

香港ノワールというとむごさ、どぎつさの激しさがいつも印象的。手や体の一部を切ったりする場面が出てくるのが日常茶飯事でえげつなさは日本のヤクザ映画を上回る。東映のヤクザ映画の場合、字幕がでてその人間の紹介をしたりしているので、観ている人にわかりやすい。こちらは関係がよくわからなくなることもしばしばだ。この映画も序盤戦がわかりづらい。
香港ノワールの傑作といえば「インファナル・アフェア」である。ストーリー自体ハリウッドでリメイクされたくらいだから、おもしろいし本当に良く練られている。香港人なりの独特の友情が語られる。この作品もそういう特有の流れをくむ。中国の原題「放逐」は組織から追い出すことだ。その言葉にはいろんな意味が込められている気がした。
マカオの光景はそれなりに楽しめた。欧風の建物もいくつか出てきてまた行きたくなった。