映画とライフデザイン

映画ブログを始めて17年、年間180〜200本観ます。時おりグルメ記事や散歩して気に入った場所の記事を書きます。gooの閉鎖で移動してきました。

映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )

映画「3つの鍵」 ナンニ・モレッティ

映画「3つの鍵」を映画館で観てきました。 「3つの鍵(Tre piani)」はイタリアの名監督ナンニ・モレッティの新作である。自ら俳優としても出演している。原題は3階建という意味で、イスラエルの作家エシュコル・ネボの原作「Three floors up」をローマに舞台…

映画「戦争と女の顔」

映画「戦争と女の顔」を映画館で観てきました。 映画「戦争と女の顔」は第二次世界大戦の戦場に駆り出されたソ連女性兵士の戦後のトラウマに焦点をあてたロシア映画である。反体制派のロシア人若手監督がつくっている。戦闘シーンは一切ない。レズビアン映画…

映画「ルッツ 海に生きる」

映画「ルッツ 海に生きる」を映画館で観てきました。 映画「ルッツ」は地中海の島国マルタでつくられた人間ドラマである。もちろんマルタには行ったことはない。シチリア島よりも南で、地中海を隔てたアフリカ側ではチュニジアに向かう位置にある。若き日に…

映画「国境の夜想曲」

映画「国境の夜想曲」を映画館で観てきました。 「国境の夜想曲」はイタリアとアメリカの国籍を持つ映画監督ジャンフランコ・ロージによるドキュメンタリー映画である。ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「海は燃えている」を見た記録が残っているが、感…

映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」 マッツミケルセン

映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」を映画館で観てきました。 映画「ライダーズオブジャスティス」はデンマークの人気俳優マッツ・ミケルセン主演の新作である。前作「アナザーラウンド」では酒好きのデンマークならではの楽しい映画だった。「真夜中の…

映画「コレクティブ 国家の嘘」

映画「コレクティブ 国家の嘘」を映画館で観てきました。 「コレクティブ 国家の嘘」はルーマニアのドキュメンタリー映画である。ルーマニアは元社会主義国だけに、官民の癒着と腐敗はひどい。それに加えて医療の倫理がまったくない。それを顕著に表して、東…

映画「THE MOLE ザ・モール」

ノンフィクションドキュメンタリー映画「ザ・モール」を映画館で観てきました。 これって本当にノンフィクションなの?と思わせる凄いドキュメンタリー映画である。国連制裁で貿易ルートを閉ざされている北朝鮮が自国で生産された武器を表立たないで諸外国で…

映画「アナザー・ラウンド」 マッツミケルセン

映画「アナザー・ラウンド」を映画館で観てきました。 「アナザーラウンド」は2021年第93回アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞したデンマーク映画である。過去のアカデミー賞でデンマーク映画は、1987年にグルメ映画の傑作「パベットの晩餐会」や翌年の「ペ…

映画「モロッコ、彼女たちの朝」 ルブナ・アザバル&ニスリン・エラディ

映画「モロッコ、彼女たちの朝」を映画館で観てきました。 「モロッコ、彼女たちの朝」は日本で初めて劇場公開されるモロッコ映画である。北アフリカに属するモロッコにはエキゾチックなイメージを持っていた。歴史的にはイスラムの欧州侵攻と国土を取り戻そ…

映画「異端の鳥」 ペトル・コトラール&ヴァーツラフ・マルホウル

映画「異端の鳥」は2020年公開のチェコ映画 傑作である。 「異端の鳥」は昨年のキネマ旬報ベスト10の中で見逃した映画残り2つのうちの1つ。上映時間の長さにわずかな隙のロードショーで観るタイミングを逃してしまっていた。これは観れてよかった。映画の大…

映画「DAU ナターシャ」

映画「DAU ナターシャ」を映画館で観てきました。 誇大広告ってこういうことなのかという映画である。 つまらない時はblogアップもしないが、近来になく呆れたので誤解して観に行く人のためにネタバレありで言っておきたい。 まず誇大広告から 実に、オーデ…

フィンランド映画「世界で一番幸せな食堂」 ミカ・カウリスマキ

フィンランド映画「世界で一番幸せな料理店」を映画館で観てきました。 これは心温まる牧歌的でやさしい映画である。 映画「世界で一番幸せな料理店」はフィンランド映画の名監督カウリスマキ兄弟の兄ミカ・カウリスマキ監督の作品だ。どちらかというと、弟…

デンマーク映画「わたしの叔父さん」イェデ・スナゴー

「わたしの叔父さん 」を映画館で観てきました。 映画「わたしの叔父さん」はデンマーク映画、2019年東京国際映画祭でのグランプリ作品である。引っかかる何かを感じて映画館に向かう。少女時代に親を亡くし、叔父と共に農場で乳牛とともに暮らす若い女性の…

映画「この世界に残されて」

映画「この世界に残されて」を映画館で観てきました。 戦後ソ連によって厳しく弾圧された東欧諸国を映像にする映画は多い。「この世界に残されて」のストーリーを読むとその手の映画のようだ。批評を見ると比較的女性陣から絶賛されている。それなのに、女性…

Netflix映画「日曜日の憂鬱」バルバラ・レニー&スシ・サンチェス&ラモン・サラサール

Netflix映画「日曜日の憂鬱」は2018年のスペイン映画 Netflixの中をふらついているときに「日曜日の憂鬱」に出くわす。富豪の婦人の前に8歳の時にあなたと別れたという女性が現れる。10日だけ付き合ってくれという娘の頼みを聞いて過ごす日々の物語で…

Netflix映画「ザ・コールデストゲーム」

映画「ザ・コールデストゲーム」はポーランドのNetflix映画 「ザ・コールデストゲーム」はチェスの米ソ対決がストーリーの柱になっている。先日チェスをテーマにしたNetflix「クイーンズ・ギャンビット」がものすごく面白かったので、いきおいで観てみる。19…

映画「ラストディール」

映画「ラストディール」は2020年日本公開のフィンランド映画 「ラストディール」はフィンランドの首都ヘルシンキの店仕舞い寸前の画商がサインなしの肖像画の素晴らしさに魅せられて、オークションに臨み最後の取引をしようとする顛末である。1時間半に起承…

アニメ映画「ウルフ・ウォーカー」

映画「ウルフ・ウォーカー」を映画館で観てきました。 アイルランドの民話を元にしたアイルランドの制作会社カートゥーン・サルーンによるアニメ映画。眠ると魂が抜け出しオオカミになるという人間とオオカミの二面性をもつ「ウルフ・ウォーカー」がこの映画…

映画「マーティン・エデン」 ルカ・マリネッリ

映画「マーティン・エデン」を映画館で観てきました 「マーティン・エデン」はジャック・ロンドンの小説を、ピエトロ・マルチェッロ監督が20世紀初頭のアメリカから1970年代のイタリアに舞台を移し映画化した作品である。アメリカ文学に造詣のない自分…

映画「マーティン・エデン」 ルカ・マリネッリ

映画「マーティン・エデン」を映画館で観てきました 「マーティン・エデン」はジャック・ロンドンの小説を、ピエトロ・マルチェッロ監督が20世紀初頭のアメリカから1970年代のイタリアに舞台を移し映画化した作品である。アメリカ文学に造詣のない自分…

映画「シチリアーノ 裏切りの美学」 マルコ・ベロッキオ

映画「シチリアーノ 裏切りの美学」を映画館で観てきました。 「シチリアーノ裏切りの美学」は「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」「眠れる美女」という傑作でメガホンをとったマルコ・ベロッキオ監督の新作である。「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女…

映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」ジェームズ・ノートン

映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」を映画館で観てきました。 世界恐慌が全世界に猛威を振るっている1933年前後、社会主義国のソ連のみが不景気の影響を受けていないと言われていた。この映画では、英国人ジャーナリスト、ジョーンズがスターリン率い…

映画「シャチの見える灯台」

映画「シャチの見える灯台」は2016年のNetflix映画 Netflixの作品を見ているとふと目につく「自閉症」「シャチ」の二文字に引き寄せられる。重い自閉症気質の息子がこの先どうなるのか心配な母親が、少年が関心を持ったシャチを手なずける海の監視員がい…

映画「ペイン・アンド・グローリー」アントニオ・バンデラス&ペネロペ・クルス&ペドロ・アルモドバル

映画「ペインアンドグローリー」を映画館で観てきました。 2月以来なんと4か月ぶりの映画館行きである。この監督の新作なら必ず観るという映画がある。スペインのペドロ・アルモドバル監督もその一人だ。馴染みのおいしいお店に久々立ち寄る感覚でつい行って…

映画「太陽はひとりぼっち」 ミケランジェロ・アントニオーニ&アランドロン&モニカ・ヴィッティ

映画「太陽はひとりぼっちは1962年のミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品 「情事」、「夜」、「太陽はひとりぼっち」はミケランジェロ・アントニオーニ監督の不毛の三部作といわれる。今回改めて再見して、とても60年代前半とは思えないスタイリッ…

映画「にがい米」 シルバーナ・マンガーノ

映画「にがい米」は1949年のイタリア映画 こういう映画があることは知っていた。主人公シルバーナが体操服のブルーマーのようなパンツをはいている姿の写真を見てドキッとしたこともある。映画史の本ではこの姿の写真はよく見られる。DVDで見たこともなく、…

映画「ドミノ 復讐の咆哮」 ブライアン・デ・パルマ

映画「ドミノ 復讐の咆哮」を映画館で観てきました。 映画「ドミノ 復讐の咆哮」はサスペンス映画の巨匠ブライアン・デ・パルマ監督の8年ぶりの新作だ。しばらく噂を聞かないのでもうあの世にいってしまったのかと思ったくらいである。現在79歳まだまだ頑張…

映画「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」 レイフ・ファインズ&オレグ・イヴェンコ

映画「ホワイト・クロウ」は2019年公開の俳優レイフ・ファインズの監督作品 東西冷戦は90年代初頭に過去のものとなった。それまで共産党を崇拝していた社会主義者は落胆したであろう。逆に東西冷戦のピークはキューバ危機の一発触発する可能性があった19…

映画「ドッグ・マン」

映画「ドッグ・マン」を映画館で観てきました。 イタリア映画「ドッグ・マン」はカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した作品である。白黒の犬をてなづける宣伝ポスターが印象的だが、内容は見れば見るほどきつい題材だ。一言でいうと「いじめられっ子の逆襲」とい…

映画「COLD WAR あの歌、2つの心」

映画「COLD WAR あの歌、2つの心」を映画館で観てきました。 「COLD WAR」はポーランドのパヴェウ・パヴリコフスキ監督がカンヌ映画祭監督賞を受賞した作品である。オーディションを経てポーランドの舞踏団の団員になった主人公ズーラが、舞踏団の音楽指導者…